2019年5月13日

先日、大阪、梅田の蔦屋でのイベントでお世話になった書店員のKさんとイベントの前の打ち合わせで、あれこれ話していると、なんと、なんと! ダン・ローズの話を振られてしまって、こちらは思わずたじたじとなり、「え、なんで、そんなマイナーな作家のことを……?」と返したところ、Kさんもダン・ローズがお好きとのことで、なんと、なんと! ダン・ローズとTwitterでやりとりしたこともあるともきいて、たじたじとなりながら、すごいなあと、思わず拍手してしまった。


ついさっき、Kさんからダン・ローズとのやりとりを送ってもらって、それを読んでたら、ずいぶん昔、彼と山の上ホテルのバーで飲んだときのことを思い出してしまった。

 

ダン・ローズは根っからの日本びいきで、その日、ホテルにくるまえに鎌倉に行って、黒澤明の墓にまいってきたとか。そして、山の上ホテルに宿を取ったのは、三島由紀夫が自決する前に泊まったホテルだったからだとか。

 

ダン・ローズといえば、最初の訳書は『ティモレオン センチメンタルジャーニー』だった。石田文子さんとの共訳で、訳している途中、これはすごい作品を訳しているんだなという実感があった。それをどこかで江國香織さんがほめてくださって、文庫になるときに解説をお願いしたのだった。

 

次は短編集『コンスエラ』。これも江國さんが帯を書いてくださった。こちらは野沢佳織さんとの共訳。表紙は丹地陽子さん。ダン・ローズはTwitterで、Kさんの言葉に答えて「Ah, the Japanese edition of "Don't tell me", with its @yokotanji art is my favourite edition ever.」と書いている。


丹地さんといえば、ぼくはデイヴィッド・アーモンドの『ヘヴンアイズ』の表紙が大好きで、CG製作だということだったので、それでもいいからプリントアウトがほしいといったのに、まだきてない。そうそう、『ヘヴンアイズ』は穂村弘さんが帯を書いてくださったのだった。


おっと、まてまて、ダン・ローズといえば、『小さな白い車』。これは田中亜希子さんとの共訳だった。これがまた、彼らしい、じつにウィットに富んだ小説だった。なにしろ、ダイアナ妃の車にぶつけてしまったヴェロニクという女の子の物語。


「マジ? あたしプリンセスを殺しちゃった」
もう、この1行だけで、この作品のおもしろさ、おかしさは伝わると思う。


などなど、こんなことを思い出して書いてしまったのは、大阪蔦屋のKさんのおかげなのだった。なにしろ、『どこまでも亀』の翻訳も原書も読んだという。おいおい、ほんとかよ、と思う。この日本で、原書と翻訳の両方を読んだ人は、Kさん、岩波の担当編集者さん、それとぼくくらいしかいないんじゃないかと思う。



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