2018年8月5日

2018年8月5日(日)
昨日……といっても、もう一昨日になったけど、新宿、紀伊國屋書店の2Fの詩歌のコーナーで、1冊、おお!という詩集を発見。
小笠原鳥類(ペンネームだと思う)の『鳥類学フィールド・ノート』(七月堂)。
ある種のナンセンス詩なんだろうけど、最初の「魚の歌」を読んで、びっくりした。

 

魚の歌

よいことがあると、いい。あの、ええ、
それが、とても、いい。
とても、穏やかに、うれしい、ことが、いい。
あの川に、いろんな、種類の歌が
魚が(魚の図鑑は歌の図鑑だ)楽譜が……
泳いでいて、魚の背中が見える。
魚は透明なので、内臓も見えるだろう健康な。
健康な健康だ、
魚のウロコがたくさんあって、それらの
輪郭の線が黒くなって、見える。
黒い絵、というものが、あった。魚を描いたんだろう
魚の図鑑が、画集で、あって
版画、だった。版画の群れ。
版画は十九世紀で、とても線が細かいものだ
銅版画。銅の、版画。よいことである
そこに、後で、水彩で、着色を、していた。
(このあとも、こんな調子で続いていく)

 

いやあ、すごいなあ。おもしろいなあ。やめられないなあ。というわけで、そのまま買って帰って、読んで、読み終えて、また最初から読み直してるんだけど、読み飽きない。読み飽きないどころか、不思議と不可解が螺旋を作ってぐるぐる回って、先が狭まってるのか、広がってるのかそれもわからないのに、快感……という、この不思議さ。
次の「ワニとゾウ」もすごい。

 

ワニとゾウ

ええ、あの、そのようであったと思う、そのようであったと思う、思う思う、安全で安心なワニが歩いていた。そのようであったと思う、ワニはゴムであった、ワニは緑色であった、ワニは水が近い場所にいた、ここも、そこも安全で安心な場所、とても良い良かった、ワニはとても安全で安心な生きものである。ワニはとてもゆっくりと歩くだろう。ワニは鳥に近い生きものだ、ワニはトカゲやヘビよりも鳥に近いんだ、そういうことを生物学の本で読んだ記憶がある、近縁だ、何の問題もない、とても安全で安心だ、何の問題もなくて、いつまでも健康で長生きして、長生き長生き、健康、生き生きたいそう、健康な体操、ワニは体操をしている。
(以下略)

 

ほかの詩集も買わなくちゃ!



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