2017/3/26(日)

昨日は一日うちにいて、本の整理をしていたら、ほぼ半日つぶれてしまった。


その結果、日本翻訳大賞の最終候補になっている本のうち2作品が2冊ずつあることが判明。まったく! すぐ選考委員の人たちに連絡したら、西崎さんがそのうちの1冊を持っていないというので、送ることにした。

 

そうそう、なんで整理をしたかというと、江國香織さんの『活発な暗闇』を探そうと思ったからだ。なのに、見つからない。仕方なく、1冊注文してしまった。こんなことをしているから同じ本が何冊もたまってしまう。


ほかにも、書店でまとめ買いをすると、やっぱりうちにある本が入っていたりする。最近、その頻度が高くなってきた。老化だと思う。


少し暗い気分になって紅茶を飲んでいたら、古本屋から本が届いた。開けて、表紙を見て、「?」。気になったので最初のところを読んでみたら、以前、同じ本がうちにあったのを思いだした。そして、半分くらいまで読んでつまらないから売ったのだった。だけど、なんでまた注文したのか、その理由が思い出せない。まいったなあ。


夜は、ためておいた……というのは嘘で、たまっていた詩や短歌の本や雑誌を読む。おいおい、翻訳も遅れていて、日本翻訳大賞の本も読まなくちゃいけないというのに、だいじょうぶかという声がかすかに聞こえてきたが、無視。

 

鈴木美紀子の『風のアンダースタディ』(書肆侃々房)という歌集がびっくりするくらいよかった。
いや、本当にびっくりした。


一読して、すぐに付箋を用意して、再読しながら貼っていったら、本の上の部分が針葉樹林のようになってしまった。
それで、今朝起きて、付箋を貼った歌を読み返して、そのうちの40首くらいを書き写した。

 

この辺は海だったんだというように思いだしてねわたしのことを6
目薬がするりと眼(まなこ)を逸れてゆきわたくしだけがとり残されて10
きみはまたわたしの角を折り曲げるそこまで読んだ物語として17
「え、こんな場面できみは泣くんだ」とわたしの夢を盗み見たひと47
「君にはちょっと難しかったかな?」先生は人差し指でわたしを消した52
わたしからはみ出したくて真夜中にじわりじわりと伸びてゆく爪86

 

など、「わたし」を歌ったものが多く、その「わたし」が尋常なわたしではなく、かといって異常なわたしでもない。うわー、こんな歌読んじゃった、どうしよう、とうつむいて、年甲斐もなくはにかんで、微笑んでしまいそうな、そんな「わたし」たちなのだ。
それから、また、

 

ほしいのは「トイレの電気点けっぱなし!」と叱ってくれるアンドロイド40
さくらにも運命はありあんぱんのへそにすわってしっとりと咲く128

 

など、じつにセンスのいいユーモラスな短歌も楽しい。
とくに、

 

蜩のこえは水色 うっとりと米びつのなかに指を忘れて80
これ以上きみに嘘をつけないと雨は霙に姿を変えた107

 

は思い切り、ぼくの好み。
『風のアンダースタディ』、ぜひ!!!



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