昨日、というか、一昨日かな、池袋のグランドシネマサンシャインのIMAXで『オッペンハイマー』の試写を観てきた。
さすが、クリストファー・ノーラン、期待を裏切らない出来で、3時間が嘘のように過ぎていった。1904年生まれのユダヤ系アメリカ人、オッペンハイマーの戦前、戦中、戦後をじつにうまく撮っている。
「ドイツに落としてやりたかった!」というひと言は、とてもリアルだ。
ただ残念なのは、IMAX。IMAXは確かに迫力があっていいのだが、字幕が多い場合、とてもつらい。この映画では、戦後、マッカーシズム(赤狩り)の時期の公聴会の場面が後半の見せどころになっているのだが、ここの緊迫した質疑と応答のぶつかりあい、字幕を追い切れない。かなり前のほうで観たからかもしれないけど、IMAXでは、つらいなあ。
というわけで、封切りになったら、あらためて、普通の映画館で観ようと思う。
広島のMさん(洋菓子作りの魔法使い)に、この映画を観たとメールしたら、こんな返信が。
NHK映像の世紀バタフライエフェクト 「オッペンハイマーの栄光と罪」ドキュメンタリードラマですが、この作品がよかった。
よくここまで映像を収集出来たものと驚きました。
ご覧になりました? 今日辺りまでNHKプラスで配信してるかも。
映画は広島でも29日から上映あり。今から楽しみにしています。
というわけで、早速、観たところ。
これも素晴しい出来で。45分番組で終わってしまったのがとても残念。1時間半くらいの番組にしてほしかった。
こちらは、しっかり、被爆国日本の国営放送局が作った番組で、ある意味、センチメンタルなところもふくめ、素晴しい出来だと思う。とくに、戦中、原爆の製造に身を捧げて、アメリカに先を越されたとき、「断腸の思い」(うろ覚えなので、ちがうかも)をした仁科芳雄が、のちに原爆の実情を知って愕然とするところとかは、まったく知らなかった。
こうなると、『BOMBE 原爆 科学者たちは何を夢見たのか』(平凡社)を読み直さないわけにはいかない。
というわけで、翻訳がまったく進まないのだった。
それなのに、なぜ、酒は進むのだろう。不思議だ。
(映画や番組からの引用はいいかげんです。すいません)